10月4日(水) 米子~出雲~温泉津温泉 温泉津ゆのつ温泉 吉田屋の若女将

JRで温泉津温泉へ。出雲市駅からアクアライナーで約1時間40分。

特急で行くと1時間なのだが、特急券が必要。

アクアライナーは東京でいうところの特快。乗車券だけで乗れる。

 

「ゆのつ温泉」は漢字で書くと ”温泉” が重なる。 書き間違えたのかと・・・

 


温泉津へ着いて、・・・さあどうする。

 

町営バスが止まっている。

「このバス温泉へ行きます?」

「行くよ!」

 

何か書き物をしている運転手さんがぶっきらぼうに返事。

バスに乗り込む。

 

一緒に旅するYちゃんは、物怖じすることなく

誰にでも気さくに話しかける。

しかも美人で人当たりがソフト。

これで、同行する私はどんなに得をしているか!

旅で出会う人たちは、みんなが親切にしてくれる。

これは、ひとえに、彼女のかもしだす雰囲気のおかげ。

旅行は、彼女と一緒が一番!

駅だか JAの建物だか・・・

もちろん無人駅。

整理券があったり、降りるときドアは自分で開けたり

面食らうことが多い。



きれいな海。広島方面からの海水浴客も多いとか


立派な登り窯。 二つあった。

発車時間になってもお客は私たちだけ。

 

「旅館へ行くだけなんだろう?」と運転手さん

「そうです」

「案内するよ」

 

町営バスはガイドつきの観光バスになった。

 

 

日御碕ひのみさきも望めるというところを見せてもらったり、

「やきものの里」というところでは、

登り窯の前で写真も撮ってもらったりする。

 

 

ひょっとして、これ運行ルート外?

 

 



 

運転手さんは、趣味で絵を描いていて

温泉のギャラリーにその絵が飾ってあるとのこと。

 

ギャラリーの持ち主と親しいし・・・という。

「行ったら見てみますね」

と軽く受けていたのだが、

後で行ったら、これがなかなかのもの。

 

Tシャツにプリントしたものも売っていたから、

プロじゃないですか!

新聞などでも取り上げられていた

名物運転手さんだった。



今日の泊まりは「吉田屋」

 

若い女性が2階へ案内してくれる。

仲居さんという感じがしない。

若女将の宿だから、従業員も若いのかしら?

 

階段を上がったところに、寅さんの写真。

「先代の時に、撮影に使われたんですよ」

「この旅館が?」

「そうです」

まあ面白い偶然。

 

「若女将は、あいにく取材があって、

名古屋のテレビ局に出かけているんですよ。

よろしくお伝えしてということでした。」

 

あらあら残念、

新しいことに挑戦している若い人をちょっと見てみたかったのに。


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吉田屋

 

ここは、自分で手配した旅館。

旅行会社のフリープランでは、

温泉津に取れる宿はなかった。

ネットで空き状況を確認できるところは、ちょっと高い。 

吉田屋は高いコースもあるが、ほどほどのも。

 

サイトを見ると、

”若女将のブログ” というのがあって、

以前、地域の活性化というテーマで、

朝日新聞に取り上げられていた女将の店だった。

 

記事も見てたし、

これも何かの縁とメールで予約したのだ。

 

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ご飯を運んでくれる男性も、

どうも手なれてない様子だが、新入りとも思えない。

 

「地元の方?」

「いいえ、兵庫です。 島根大の学生です。」

「アルバイト?」

 

ちょっと言いよどむところを見ると、

ただのアルバイトではなさそう。

 

「学校で農園もやっていて、

そこで取れたものを旅館で使ったりしてるんです。

農園に出たり、こっちに来たりです」

 

「お金にはなるの?」

「ええ、まあそれなりに」

学業の合間に旅館の手伝いということらしい。

 

「こちらにお勤めの人は みんな若いの?」

「そうです」

話に「町が・・・」という言葉が出るところを見ると、

行政とも連携して様々なことをやっているようだ。

 

 

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「あそこの旅館は

旦那さんが病気になってね、

そのうち奥さんも具合悪くなってね、

旅館をどうするのかと思ってたところに、

あの若女将が来たのよ」

 

出かけた外湯で、

近所のおばちゃんたちから情報入手。

旅館の娘さんじゃないのか!

 

こんな小さな町で、

新しいことをするのは

しがらみがあって

大変だろうと思っていたが、納得。

 

どんなきっかけで来たんでしょうね。

 

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後日帰って改めてみてみると、

若女将は、女性企業家大賞・スタート部門の特別賞も受賞。

大阪から去年やってきたばかりで、

旅館の経営も素人とのこと。

メディアに頻繁に取り上げられている

”時の人” だった。

 

 

名古屋での収録は、10月20日にNHKの教育テレビで放映されたようだが、私は見逃した。



年代ものの鏡。

「アサヒビール」が右から書いてある

建物のつくりは、昔ながらの温泉宿。

ふすまには、かんぬきの内鍵がついている。

 

布団に入る前に、お風呂へいく。

 

お風呂はここですといわれた戸を開けると、

穴倉への階段。

一足先にいったYちゃんが、

穴倉の底から妙な顔して見上げる。

 

「どうしたの?」

「お風呂がひとつしかないのだけど、

 男湯とも女湯とも書いてないの」

 

 階段の戸にも、お風呂の戸にも鍵はない。

 

「ひょっとして混浴?」

「まさか。泊り客が女性だけじゃないの?」

「さっき男の人いたわよ」

「どうする? 途中で入ってきたら」

「キャー!・・・って言えばいいんじゃない」

 

キャーと叫ぶ機会はなかった。