昨夜は宮崎さん宅に泊めてもらい、8時30分出発。
性懲りもなく、もう一度 塚地峠をめざす。
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宮崎さんは、広い道だから迷うはずがないと首をひねっていた。
昨日電々公社の車が止まっていたところが怪しい。
行ってみると案の定、石仏があり、広い道が続いている。
昨日は車にかくれ、道が見えなかったのだ。
初めから違う道を行ったのだ。
電々公社のブルトーザーのキャタピラの跡が、雨上がりの土に続いている。
途中分かれ道があって不安になったが、
かなり登った所で 「へんろみち」 の石があってほっとする。
それからすぐに電柱の立っている峠に出た。
ところが広い道は、ここで終わり。
先は、細い道が三本。
左は電柱のある方でさつま芋畑へ向かっている。
右は一番それらしい山道。
真ん中はその先が道かどうかも判らないほどの草むら。
へんろ石があるが、倒れている。 ???
倒れた状態で指さしているのは真ん中なのだが、
信じていいものか。
先ず真ん中を10メートルくらい進んでみるが、
いばらに引掻かれてとてもいけたものではない。
さつま芋畑の方へ行くと、その先は道がなさそう。
山道の方へ行ってみるが、どうも方向が納得いかない。
また左へ行ったり、右へ行ったり。
足元は露でぐしょぐしょ、滑って尻もちでびしょびしょ。
おじさんは、下に続く道や港が見えるといっていたから、
高くなってる電柱のところまで行ってみたが、何も見えない。
今日また戻らなくてはならないのか・・・暗澹たる気分
そのときガランガランと鈴の音がした。
へんろ石のそばに人が座っている!
天の助けと、飛んで戻った。
猟犬をつれたハンターで、聞けばやはり真ん中の道だという。
30分くらいも、うろうろしたか。
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こうなったら前進あるのみ。がむしゃらに進む。
道などとよべるものではない。
こころもち草が低くなっているところを狙って足を下ろす。
2度道を踏み外して、下へ滑った。
途中また道を見失い、迷った。
離れたみかん山に、作業している人が見え、
尋ねたほうがいいとそっちの方角へ向かったら、道があった。
途中で一休みして、ドーナツを食べた。
お弁当はいらないと遠慮したら、
それではと、わざわざ私のために宮崎さんが揚げてくれたのだ。
かえって申し訳なかった。
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川に出合ったあたりから、道は少し良くなり始めた。
手も足も傷だらけ。舐めておくしかない。
どうやら下まで降りたところで親子連れに会う。
山を越えてきた私を見て、びっくりしている。
越えてきたところは間違いなくへんろ道だった。
しかし塚地峠は今は全く人が通らないと言う。
昔はこの道しか、高岡と宇佐を結ぶ街道はなかったそうで、
峠に茶屋が二軒もあったという。おじさんの小学校の頃と言うから、随分前の話だろう。
みかんを二個もらう。
近道もあるが、川に沿って海まで行き、右を渡し場まで行くといいとのこと。その通りにする。
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ドーナツまで・・・ まだ若い人なのに、その心配りには本当に頭が下がった。
今、塚地峠は・・・ 遍路ブームや、最近の道ブームで、塚地峠はとても整備されてハイキングコースにもなっているようです。
なつかしい、貴重な一日になりました
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宇佐の渡し到着、11時半。
渡し賃は10円。すぐ着く。
横波三里は静かな入り江だった。
36番清龍寺へは山越えの道もあるというが、ここは海沿いにする。
青龍寺では、今朝、大阪の団体が草を刈りながら、山越えの道を来たから、今なら通れるという。
村で道を聞けばよいとのことだったが、
尋ねたお店のおばさんたちは、全く知らない。
仕方なく又来た道を戻る。
1キロ位戻ったところで、車が拾ってくれた。
渡し場まで戻ったら、着いた船から 槌間さんが降りてきた。
山を越えてきたのだが、違う道を教えられたといって
傷だらけの腕を見せた。
あの倒れたへんろ石の所を山道の方へ行ったらしい。
やはり大変だったようだ。
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渡し場まで車に乗せてくれた人に、
これから足摺まで行くからお接待してあげると言われる。
37番岩本寺へはバスでと思っていたから、言葉に甘える。
途中の七子峠は素晴らしかった。
道路がかなり高いところを通っているので、
窓からの景色は、飛行機にでも乗っている気分になる。
今度来たら絶対歩こう。
車の人は名刺をくれた。
今治のタオル工場の社長さんで、今治まで来たら是非寄ってと言われる。
岩本寺はユースにもなっており、快く泊めてくれる。3時着。
荷物を置いて薬屋へ行く。
「異色茶房 淳」と言う看板にひかれて喫茶店に入る。
小さな猫がいた。ひざの上にのせ、なでながらコーヒーを飲む。
おいしかった。気持ちが休まった。気持ちのいいお店だ。
主人はひげのおじさん。
店員を募集している。お金がなくなったら、こんなところで働かせてもらうか。
山の中の喫茶店とは思えない、都会風な感じ。
若者の溜まり場になっているようだ。
坂本稔という人(土地の詩人だろうか)の詩画展をやっていた。
コーヒー一杯100円で、あと日本茶か紅茶をサービスしてくれる。
記念にマッチをもらって帰る。
今日はとてもいい一日だった。四国へ来て一番いい一日だった。
36番青龍寺 波切不動です ↓(クリックで拡大) |
青龍寺から37番岩本寺へは、66.3キロ二日がかりの行程になるところだ。
喫茶店 「淳」 |
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