19 塚地峠           11/5 快晴  歩いた距離:11キロ

昨夜は宮崎さん宅に泊めてもらい、8時30分出発。

性懲りもなく、もう一度 塚地峠をめざす。

 

 

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宮崎さんは、広い道だから迷うはずがないと首をひねっていた。

 

昨日電々公社の車が止まっていたところが怪しい。

 

行ってみると案の定、石仏があり、広い道が続いている。

昨日は車にかくれ、道が見えなかったのだ。

初めから違う道を行ったのだ。

 

電々公社のブルトーザーのキャタピラの跡が、雨上がりの土に続いている。

途中分かれ道があって不安になったが、

かなり登った所で 「へんろみち」 の石があってほっとする。

 

それからすぐに電柱の立っている峠に出た。

ところが広い道は、ここで終わり。

先は、細い道が三本。

 

左は電柱のある方でさつま芋畑へ向かっている。

右は一番それらしい山道。

真ん中はその先が道かどうかも判らないほどの草むら。

 

へんろ石があるが、倒れている。    ???

 

倒れた状態で指さしているのは真ん中なのだが、

信じていいものか

 

先ず真ん中を10メートルくらい進んでみるが、

いばらに引掻かれてとてもいけたものではない。

 

さつま芋畑の方へ行くと、その先は道がなさそう。

山道の方へ行ってみるが、どうも方向が納得いかない。

 

また左へ行ったり、右へ行ったり。

足元は露でぐしょぐしょ、滑って尻もちでびしょびしょ。

 

おじさんは、下に続く道や港が見えるといっていたから、

高くなってる電柱のところまで行ってみたが、何も見えない。

今日また戻らなくてはならないのか・・・暗澹たる気分

 

そのときガランガランと鈴の音がした。

へんろ石のそばに人が座っている!

天の助けと、飛んで戻った

 

猟犬をつれたハンターで、聞けばやはり真ん中の道だという。

30分くらいも、うろうろしたか。

 

 

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こうなったら前進あるのみ。がむしゃらに進む。

 

道などとよべるものではない。

こころもち草が低くなっているところを狙って足を下ろす。

2度道を踏み外して、下へ滑った。

 

途中また道を見失い、迷った。

離れたみかん山に、作業している人が見え、

尋ねたほうがいいとそっちの方角へ向かったら、道があった。

 

途中で一休みして、ドーナツを食べた。

お弁当はいらないと遠慮したら、

それではと、わざわざ私のために宮崎さんが揚げてくれたのだ。

かえって申し訳なかった。

 

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川に出合ったあたりから、道は少し良くなり始めた。

 

手も足も傷だらけ。舐めておくしかない。

 

 

どうやら下まで降りたところで親子連れに会う。

山を越えてきた私を見て、びっくりしている。

 

越えてきたところは間違いなくへんろ道だった。

しかし塚地峠は今は全く人が通らないと言う

 

昔はこの道しか、高岡と宇佐を結ぶ街道はなかったそうで、

峠に茶屋が二軒もあったという。おじさんの小学校の頃と言うから、随分前の話だろう。

みかんを二個もらう。

 

近道もあるが、川に沿って海まで行き、右を渡し場まで行くといいとのこと。その通りにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドーナツまで・・・

まだ若い人なのに、その心配りには本当に頭が下がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、塚地峠は・・・

遍路ブームや、最近の道ブームで、塚地峠はとても整備されてハイキングコースにもなっているようです。

 

なつかしい、貴重な一日になりました

 

 

 

 


宇佐の渡し到着、11時半。

渡し賃は10円。すぐ着く。

横波三里は静かな入り江だった。

 

36番清龍寺へは山越えの道もあるというが、ここは海沿いにする。

 

青龍寺では、今朝、大阪の団体が草を刈りながら、山越えの道を来たから、今なら通れるという。

村で道を聞けばよいとのことだったが、

尋ねたお店のおばさんたちは、全く知らない。

 

仕方なく又来た道を戻る。

1キロ位戻ったところで、車が拾ってくれた。

 


渡し場まで戻ったら、着いた船から 槌間さんが降りてきた。

 

山を越えてきたのだが、違う道を教えられたといって

傷だらけの腕を見せた。

あの倒れたへんろ石の所を山道の方へ行ったらしい。

やはり大変だったようだ。

 

 

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渡し場まで車に乗せてくれた人に、

これから足摺まで行くからお接待してあげると言われる。

37番岩本寺へはバスでと思っていたから、言葉に甘える。

 

途中の七子峠は素晴らしかった。

道路がかなり高いところを通っているので、

窓からの景色は、飛行機にでも乗っている気分になる。

今度来たら絶対歩こう

 

車の人は名刺をくれた。

今治のタオル工場の社長さんで、今治まで来たら是非寄ってと言われる。

 

 

岩本寺はユースにもなっており、快く泊めてくれる。3時着。

 

荷物を置いて薬屋へ行く。

「異色茶房 淳」と言う看板にひかれて喫茶店に入る。

小さな猫がいた。ひざの上にのせ、なでながらコーヒーを飲む。

おいしかった。気持ちが休まった。気持ちのいいお店だ。

 

主人はひげのおじさん。

店員を募集している。お金がなくなったら、こんなところで働かせてもらうか。

山の中の喫茶店とは思えない、都会風な感じ。

若者の溜まり場になっているようだ。

 

坂本稔という人(土地の詩人だろうか)の詩画展をやっていた。

コーヒー一杯100円で、あと日本茶か紅茶をサービスしてくれる。

記念にマッチをもらって帰る。

 

今日はとてもいい一日だった。四国へ来て一番いい一日だった。

  

36番青龍寺 

波切不動です

↓(クリックで拡大)

 

青龍寺から37番岩本寺へは、66.3キロ二日がかりの行程になるところだ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喫茶店 「淳」