12 室戸岬へ 黒潮の海よ!    10/29 快晴   歩いた距離:22キロ

8時50分甲浦を出発。

室戸岬まで40キロあるので、入来までバスにする。

 

 

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途中、白浜や淀が磯など非常に美しい海岸線を走る。

 

歩きたい、歩けばよかったと後悔する。

 

9時50分入来下車。

いよいよ海沿いを歩けると思ったのに、

道路は海岸から20メートルくらい山側に入っている。

 

堤防も高く、海は見えない。

黒潮の海、土佐の海が見たいと楽しみにしていたのに・・・

波の「音はすれども姿は見えず」で、いらだって来る。

 

佐喜浜に入り、町を通り抜けてようやく道は海岸に戻った。

 

 

ほとんど風もないのに、海は荒れている

これこそ太平洋の黒潮!

 

「夫婦岩」の黒い岩に打ちつける波は

しぶきを七色に輝やかせて砕け落ちる。

波のしぶきが、霧のように道路に流れて来て

行く手の山をかすませる。

 

ひと時も海から目を離したくない。

ただただ海を見つめて堤防の上を歩く。

 

海に発した命ゆえ

盲のように海を見る

 

(谷川俊太郎の

  詩の一節です)

 

 

でも もう立ちすくんではいられない

 

このとどろきの中から命が生まれたのだと思い・・・

太古からの連綿とした生の流れを感じ・・・

命の力満ち満ちて・・・

歩きながらポロポロ涙して、

台詞のように次々出てくる言葉を見えない観客に語り続ける

 

ふぞろいに海岸に押し寄せてくる波が、

幾度かの繰り返しの後に、数百メートルもひと続きになる。

青い大きなうねりの上を、浜からの白い波が迎えるようにすうっとあがっていき、

そして崩れ落ちる。

波は激しく美しかった 。

 

 

ドライブインでお昼を食べた。

 

車に乗せてくれるという人がいた。

お坊さんのようだが断った。

 

室戸岬へはぜひとも歩いて入りたかった。

悪いことをしたと思う。

 

室戸まであと6キロのところで又別の人に声を掛けられた。

今度は断りきれなくて とうとう乗せられてしまった。

 

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スカイラインを上がり、最御岬寺ほつみさきじ 裏手の駐車場に2時30分到着。

駐車場について、裏口から納経所へ。

納経所はユースの受付にもなっていた。

 

 

お参りも済ませたが、意気込んでいただけに

へんろ道を上って来られなかったのがなんとも残念。

車に乗るはめになってしまったのが腹立たしくて、気持ちが納まらない。

 

 

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荷物を置いてから、へんろ道を下り、さらに2キロくらい戻った。

そこから  ----歩き直し。

私も意固地。

 

御蔵洞みくらどう、ひねり岩 なども見て、再びへんろ道を上がりお寺へ。

再度到着4時。

 

 

4時30分 槌間さん到着。

 

 

室戸岬へ

23番薬王寺から室戸岬の24番最御崎寺へは、86キロ。2日がかりの行程になる。

 

こういう所を歩き通してこそ、遍路なのだろうに。

 

 

 

修業の道場

土佐(高知)の札所は、24番~39番まで。

 

修行の道場と呼ばれる。

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海よ!

ひたすら憧れていた黒潮の海。

 

波のとどろきに、身も心も生まれ変われる心地がしました。

 

 

※当時は「海」にすがる思いでいました。

神経をすり減らす仕事に、身も心もかなり病んでいたのでしょうね。

心の中に張りつめた糸の存在が実際に感じられ、いつ それがプツンとキレるか、恐怖でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弘法大師修行の御蔵洞から外を見る

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