8時50分甲浦を出発。
室戸岬まで40キロあるので、入来までバスにする。
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途中、白浜や淀が磯など非常に美しい海岸線を走る。
歩きたい、歩けばよかったと後悔する。
9時50分入来下車。
いよいよ海沿いを歩けると思ったのに、
道路は海岸から20メートルくらい山側に入っている。
堤防も高く、海は見えない。
黒潮の海、土佐の海が見たいと楽しみにしていたのに・・・
波の「音はすれども姿は見えず」で、いらだって来る。
佐喜浜に入り、町を通り抜けてようやく道は海岸に戻った。
ほとんど風もないのに、海は荒れている。
これこそ太平洋の黒潮!
「夫婦岩」の黒い岩に打ちつける波は
しぶきを七色に輝やかせて砕け落ちる。
波のしぶきが、霧のように道路に流れて来て
行く手の山をかすませる。
ひと時も海から目を離したくない。
ただただ海を見つめて堤防の上を歩く。
海に発した命ゆえ
盲のように海を見る
(谷川俊太郎の
詩の一節です)
でも もう立ちすくんではいられない
このとどろきの中から命が生まれたのだと思い・・・
太古からの連綿とした生の流れを感じ・・・
命の力満ち満ちて・・・
歩きながらポロポロ涙して、
台詞のように次々出てくる言葉を見えない観客に語り続ける
ふぞろいに海岸に押し寄せてくる波が、
幾度かの繰り返しの後に、数百メートルもひと続きになる。
青い大きなうねりの上を、浜からの白い波が迎えるようにすうっとあがっていき、
そして崩れ落ちる。
波は激しく美しかった 。
ドライブインでお昼を食べた。
車に乗せてくれるという人がいた。
お坊さんのようだが断った。
室戸岬へはぜひとも歩いて入りたかった。
悪いことをしたと思う。
室戸まであと6キロのところで又別の人に声を掛けられた。
今度は断りきれなくて とうとう乗せられてしまった。
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スカイラインを上がり、最御岬寺ほつみさきじ 裏手の駐車場に2時30分到着。
駐車場について、裏口から納経所へ。
納経所はユースの受付にもなっていた。
お参りも済ませたが、意気込んでいただけに
へんろ道を上って来られなかったのがなんとも残念。
車に乗るはめになってしまったのが腹立たしくて、気持ちが納まらない。
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荷物を置いてから、へんろ道を下り、さらに2キロくらい戻った。
そこから ----歩き直し。
私も意固地。
御蔵洞みくらどう、ひねり岩 なども見て、再びへんろ道を上がりお寺へ。
再度到着4時。
4時30分 槌間さん到着。
室戸岬へ 23番薬王寺から室戸岬の24番最御崎寺へは、86キロ。2日がかりの行程になる。
こういう所を歩き通してこそ、遍路なのだろうに。
修業の道場 土佐(高知)の札所は、24番~39番まで。
修行の道場と呼ばれる。 ↓(クリックで拡大)
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海よ! ひたすら憧れていた黒潮の海。
波のとどろきに、身も心も生まれ変われる心地がしました。
※当時は「海」にすがる思いでいました。 神経をすり減らす仕事に、身も心もかなり病んでいたのでしょうね。 心の中に張りつめた糸の存在が実際に感じられ、いつ それがプツンとキレるか、恐怖でした。
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弘法大師修行の御蔵洞から外を見る ↓(クリックで拡大) |
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