18 善根宿ぜんこんやど のお接待  11/4 曇りのち晴れ  歩いた距離:22キロ

 

今日は大失敗。

 

35番清滝寺から36番清龍寺へ 塚地峠を越えようと思ったのだが、

間違えて別の山へ登ってしまった。

 

山へ入ったらすぐに急な坂道で、太龍寺よりもすごい。

でもこんな山ならば 後で話の種と、勇んで登る。

ものの500メートルも行かないうちに汗だく。

 

ところが行けども行けども へんろ道の印もなく、

道もだんだん草むらのようになって来る。

 

おかしいおかしいと思いながらも、

他に脇道はなかったし、とにかくもう少しと 登る。

 

山頂近く、杉木立の間から横波三里の海が見えるところまで登った。

 

谷の方から子供の声がして、

それにさそわれるよう向こうの山を見ると、白い電柱が見えた。

 

まてよ!  そう言えば道を尋ねたとき、

あの電柱のある辺りが塚地峠だと指さされた。

 

近眼でよく見えないものだから、その時は聞き流していたのだが・・・

 

道を間違えた!

 

ここからでも越えられないことはないだろうが、

山の上で日が暮れたら大変だし、

やはりふもとまで戻ることにする。

 

戻るのを見られるのはかっこ悪かった。

 

そもそも、清滝寺でタクシーの接待を一旦断っておきながら

またのこのこ、お願いしますと言ったのがいけなかった。

ばちがあたった。

 

 

 

広い道まで戻って地図を見ていたら、軽トラックが止まった。

 

若い女の人が乗っていて、山を越さなかったのかと聞く。

私が山へ向かったのを見ていたのだろう。

 

道を間違えて戻ってきたのだが、近くに旅館はないかとたずねたら、

「だいぶ行かなくてはならないから、うちへ泊まってもいい。

すぐそこだから。」 と言う。

 

思いもかけない言葉にとまどったが、泊めてもらうことにする。

 

 

善根宿と言うのがあると 本には書いてあったが、

自分がそんな接待を受けるとは思いも寄らなかった。

 

農家で、宮崎さんという表札がかかっていた。

家に上がったら、凄い散らかっている。

でもそんなことなど気にしないから、

何のこだわりもなく、見知らぬ人を泊めてもいいという気になるのだろう。

慌てて片付けてくれた。

 

晩ご飯はカレーライスだった。

 

亡くなったおばあちゃんが良くおへんろさんを泊めていた。

この子が一番おばあちゃんに似ているとおじさんが言う。

 

私より少し若い娘さんが、いきなり知らない人を家に連れて帰り、

その家の人も何も言わずに受け入れると言うのが、

不思議な気がした。

 

夜トイレに行くのに外へ出たら、降るような星空だった。

あんなに沢山の星が空にあることを忘れていた。

 

それにしても私はついている。神に感謝しなくては。

土壇場になると、必ず誰かが 手を差し伸べてくれる。

 

 

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足摺国定公園が、国立公園へ昇格が決まったらしい。

毎日、テレビでこのニュースをやっている。

 

やっぱり大堂海岸へ行こう。

その分、他で縮めればいいのだから。

 

明日は山越えをして宇佐へ行き、36番を打って、バスで岩本寺まで行こう。

 

スーパーで買い物しているときに、おばさんから、

「ほんの気持ちだけのお接待をさせてください。」 と百円もらった。

こんな風に言われて、にわか遍路は恥じ入ってしまう。

 

 

34番種間寺

かわいいお地蔵さんがいくつもあった。

安産祈願のお寺だそうだ。

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35番清滝寺から 

 ↑(クリックで拡大)

中央奥の、ややへこんだありに横波三里の海が見える。塚地峠を越えてそちらへ向かいます。