12月2日、高松から宇高連絡船で宇部へ。
宇部から岡山、姫路、京都と回って北陸線で家へ戻ったのだけれど、
途中の記憶が全くない。
お正月を過ごし、再び東京へ戻るまでもしかり。
上京し、新宿駅の人ごみの中に立った時、
突き飛ばされそうになりながら、人間を見るのが珍しくて面白くて、仕方がなかった。
動物園で、見たこともない動物を眺めているようだった。
自分とは全く違う種類の生き物が歩いていると思った。
不思議な感覚だった。
全く人との接触がなかったわけでもなく、
たった45日くらいの旅だったのに、
自分がいかに社会から離れたところにあったかを、改めて思い知った。
-----------------------------------------------------
書き残しておくことの凄さも再認識した。
すっかり忘れていたのに、読み返した途端に、
まるで昨日のことのように記憶の中から立ち上がってくる。
そのときの感情までが生々しく思い出される。
反対に書き留めておかなかったことは、
なかったことになってしまった。
---------------------------------------------------
遍路から20年たって、ワープロで日記を打ちなおしたとき、
あとがきの中に上述のことが書かれてているが、
さらに13年たって、改めて読み返して、
別のことにも気づいた。
四国を歩いて回ったと思っていたが、それは大きな思い過ごしで、
やたらと乗り物を利用し、また車のお接待も受けている。
車に限らず、さまざまな接待を受け、四国の人達に守られて この旅があったことが良く分かる。
人々の過分な親切は、ひとえに私が若かったからだろう。
遍路姿の若い女性の一人旅は、やはり人目を引いたのだと思う。
60過ぎて再び遍路に出たところで、あれほどの親切は期待できないに違いない。
年配者が受ける以上の心配りを受けたのだと思う。
にもかかわらず、我がままいっぱいの気分は、しおらしいところもあるとはいえ、
恥ずかしい限り。
ホームページに仕立てるにあたり、
よほどさしさわりがない限り、文章はほとんどもとのまま。
右側の青い欄に、今回の感想を付け加えてみた。
製作途中で、ネットであちこちの四国八十八ヶ所のページを見て、
その変りように驚いたりするところもあったが、旅している人たちの気持ちは今も昔もおんなじ。
現在の情報としての価値はないけれど、
見てくださった方が、四国遍路の様子を楽しんでもらえたらうれしい。
再び最新のシニア遍路日記を作れるように、頭も体も 精進!精進!
終了
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から