2泊する宿坊
「總持院」は壇上伽藍の裏手で、
金剛峯寺の隣。
車のビュンビュン通る道から分かれた
静かな道に面している。
まずは談話室に通され、お菓子と抹茶をいただく。
きらきらの螺鈿づくりの調度にちょっとびっくり。
聞けば、泊り客は我々一組らしい。
やはり紅葉のシーズンから少し外れたし、平日だし。
全部で60人くらいは泊まれるそうだ。
部屋は2階、10畳間で広々。
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汗をかいたから、すぐお風呂よね。
浴衣やタオルも置いてあって、旅館と全く同じ。
トイレも部屋についているし、エアコンもきいて暖かい。
ところで、この浴衣を着て 廊下をうろうろしていいのかしら?
どうする?
聞いてからの方がいいわねと浴衣は持たずにお風呂へ。
お風呂も広々。私たち二人のために沸かしてもらったのよね、なんだか悪い。
貸し切りで誰に遠慮することもなく、のうのうと手足を伸ばして気分爽快。
食事を運んできてくれたお坊さんに浴衣で廊下は? 尋ねてみた。
「遠慮なく 浴衣を着てください。」
この方は、このお寺に住み込んで、高野山大学に通っているのだとか。
住み込むときは、両親そろって挨拶に来てお願いするそうで、
相撲部屋に入るような感じに受け取れた。
ゆくゆくは、親戚の小豆島のお寺を継ぐことに決まっているのだそうだ。
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總持寺には、小僧さんが5人いるとのこと。
小僧さんというのは、小さな子供の坊さんのことかと思っていたら、
「和尚さん」と「小僧さん」という使い分けのイメージらしい。修行中ということか。
それぞれに、階級があるようだが、聞いても覚えられなかった。
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2日間とも、お給仕のお坊さんは同じ人。
聞きたがり屋のおばさんたちは、運んできてくれるたびにあれこれ質問ぜめ。
気さくな、ゆかいな方で、我々の質問に丁寧に答えていただいたが、
それも他にお客がいなくて、時間に余裕があるからでしょうね。 ラッキー。
我々はうれしかったが、向こうは辟易してたかも。
”面倒くさい ばあさんたち” でごめんなさいね。
でもこれもお話上手な住職さんになる修行よ。
おかげで、高野山のことがおぼろげながらいろいろわかった。
「私の感想も入ってますから、正確に詳しいことはインターネットで調べてくださいね」
・・・ですって。
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高野山は8つの山にかこまれ、そのまた外に8つの山があり、
その山々を蓮の花びらに見立て、仏様が座る蓮のうてなのような地形なのだとか。
高野山は、宗教宗派を問わないそうだ。
「南無大師遍照金剛」の後に、「南無大明神」も唱えるとのこと。
入口にしめ縄が張ってあったのも、そんなことからかしら?
日本全国の人のお墓が集まるわけね。
仏様も神様もみんな仲良く・・・宗教はこれでなくちゃ!
「苦しいときの神頼み」・・・これが信心の極意、真理よ!
食事はもちろん精進料理で、刺身などないだけで普通の旅館の料理と同じ。
唐揚げ風のものは、大豆たんぱく。
お坊さんたちが作るのかと思っていたら、お料理を作る人が別にいるとのこと。
味は、ものすごくというわけではないがおいしい。 必ず鍋が付いた。
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↓(クリックすると拡大)
1日目 夕食
写真は最初に撮ったきり・・
あとは忘れて
パクパク食べちゃった。
次々運んできてくれて、
そのペースが速いのがいい。
料理店などで、待ちくたびれたころに持ってこられるのは楽しさ半減。
おいしいものは、一気に食べたいほう。
2日目 朝食
これに、ご飯とみそ汁
3日目 朝食
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坊さんになる資格を得るために1年間修行するところもあるそう。
坊さんの専門学校のようなもので、
お寺関係の人だけでなく、いろんな前職の人が来るとか。
修行は厳しいし、食事はご飯に漬物、味噌汁という質素なものだそうだ。
おなかがすいて、内緒でご飯をおにぎりにして持ち出して食べるなんてこともあったそうで・・・
連泊した時の食事の献立はどうするんですか?
2日目の食事も雰囲気は同じですが、材料が違います。
長い人で何泊ぐらいですか?
1週間くらいの献立はあるようですよ。
それ以上になると、早く帰ってくれと思うんじゃないですか。
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食事の後またお風呂に入って、(私たちお風呂が大好き!)
ストレッチをして、寝る。
布団は、別のお坊さんが二人で敷きに来てくれた。
筋肉が多少こわばっているものの、思ったほどの疲れはない。
布団が何とも心地よく、何より、枕の高さがちょうどいい。
翌朝は、6時からお勤め。
我々も、早起きして本堂へ。
寒いですから厚着して来てくださいと言われた。
私たちが座るところは、椅子になっていて、
足元はホットカーペット。
ストーブも入って、ひざ掛けも用意してあって、
心配していたほど寒くはなかった。
和尚さんが中央で、左右、後ろに囲むように小僧さんたちが座ってお経をあげる。
和尚さんの作法に合わせて、
一人がお経を読み始めるのだが、
そのタイミングを計るのが難しいのだそうだ。
相撲の仕切りじゃないけれど、
みんなの呼吸を合わせるのはなかなかでしょうね。
シンバルみたいに銅鑼を鳴らすのがおもしろかった。 やってみたい!
途中で焼香を促された。
後ろの方に若い女性がすわっていた。 誰?
高野山大学の学生で女子寮に住んでいて、そこでもお勤めはできるのに、
どういうわけかうちに来るんですよ。
でも、雨が降ったら来ません。 とのこと。
翌朝は雨。彼女は来なかった。
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お経の後は和尚さんの話。
長くなったら、おなかを押さえて痛いふりをして抜けてくださいと言われたが、短かった。
「みなさん望外の幸せを願われますが、その対極には望外の不幸せもあるということ。
望外の不幸せがないことが、幸せです。」
というような趣旨で、なるほど。
その後、堂内の説明があって、約1時間で終り。
本堂の外へ出たら、明るくなっていた。
床の間や、仏様の前などに紙切りが下げてある。
お正月に飾って、
1年間下げておくそうだ。
模様は、宝珠や蓮の花やいろいろある。
部屋の窓の外は坪庭風になっている。
その向こうは裏庭。
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