31 鴇田ひわた峠を越えて久万へ  11/17 曇り   歩いた距離:21キロ

 

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6時59分大洲本町発の国鉄バスで突合つきあわせまで行く。

 

突合から田渡たわたりまでの伊予鉄バスには一時間以上待ち時間がある。

突合からは歩いた方がいいだろう。

 

8時10分突合に着いて、道を探してキョロキョロしていたら、

伊予バスが通り過ぎた。8時4分のが遅れて来たらしい。

とっさに判断できなくてバスを止められなかった。惜しいことをした。

 

歩き始めて一キロ位行ったろうか、トラックが止まって、

へんろ道を行くから、途中まで乗せて行ってやると言う。

落合橋までと思っていたのにどんどん行ってしまう。

結局、下坂場峠の下まで行って無理やり下りた。

 

ちょっと危ない人だった。

 

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下坂場峠を越え、鴇田峠を越えて、久万の町に入ったのは11時半。

鴇田峠越えは道は険しくないのだけれども、

間違っているのではないかとずっと不安だった。

何しろ誰もいなくて、尋ねようがないのだから。

最後は、道だかどうだかわからなくなって、

下のほうから車の音がするほうに盲滅法進んで、林道に飛び降りた。  (クリックで拡大)↗

 

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国道に出たところで、

「おやおやお遍路さんじゃないかね」とおばあさんに呼び止められた。

 

鴇田峠を越えてくるとはめずらしいと、

家へ招きいれられて、コーヒーをご馳走になる。

岩屋寺を打って戻ってきたら、うちへお泊まんなさい、善根宿だからと言う。

 

ずうずうしいが、戻ってこられたら今日はここへ泊めてもらおうと決心した。

 

とはいうものの、万が一を考えて荷物は持って44番大宝寺へ向かう。

 

 

大宝寺着1時。門前はわりと賑やか。

 

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45番岩屋寺への御堂峠は、登る時ちょっと間違えたきりで、無事30分ぐらいで越した。

 

林道へ出て、道が間違ってないのか不安になっているところへ、

いい按配に向こうから人が来る。

 

あの人に聞こうと近づいてきたら、何と槌間さん。

随分思いがけないところで出会ったものだ。

彼は御堂峠を越えるのに2度も間違えたとのこと。

 

岩屋寺までだいぶあるよという。

 

すぐ別れる。

 

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 気を付けて! 

 

 

 鴇田峠 

 

↑(クリックで拡大) 

ここの峠越えには、遍路道の案内もなかった。

険しくはないだけに、どこへでも行けそうでかえって迷う。

ネットで見ると、今は表示板も整備されてきちんとあるようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


この岩屋寺は遍路としては、行場など、見るべきところが多かったのに、帰りを急いでもったいないことをした。

地図ではそんなありそうに思わなかったのに。 

一生懸命歩いていたら、

44番で合った人達が、車に乗せてくれた。

岩屋寺まであと3キロくらいのところだった。

 

岩屋寺着2時45分。

この分なら大宝寺に帰れそうだ。

写真を撮ったりゆっくりしていたら奈良の団体が、

どやどやとやってきたので引上げる。

 

下へ降りて、お菓子屋のおばさんにバスをたずねたら、

日に2本しかなく、3時のは今出たところだと言う。

 

これから歩いては遅くなる。

 

おばさんは、あの団体バスに乗せてもらいなさいと、

駐車場に止まっているバスを見て言う。

 

迷っていたら、岩屋寺まで乗せてくれた人達の団体だった。

関係者の車だったのだ。

また乗せてもらって帰る。

 

 

岩屋寺山門


 

久万のおばあさんの所へ着いたのが5時。

御堂峠を越えず、バスの通れる道を行くと随分遠回りだった。

 

おばあさんは、久万は高原で涼しいし、いい所だと言う。

四国の軽井沢と言うのだそうだ。

 

夜は、隣のおばあさんが来て、10時頃まで御詠歌の練習をする。

布団の中で聞いていると、鈴の振り方や、

微妙な声の上がり下がりなど、なかなかの練習がいるものらしい。

 

こういうことがあると、やっぱり小さいテープレコーダーを買って持って来るんだったと思う。

狂言の練習を思い出す。

 

おばあさんは一人暮らしで、頭は切れるし、気は若いし、教え方は上手だし、

自分も年をとったらあんな風でいたい。

矢野さんという。